幸せを振り撒く猫
仕事に従事していると疲れる。
なんというか体力が気力がというより、自分がすり減るという表現が正しい。
自分がボコッとなくなった様な、ドロドロに溶けて形を保てない様な、そんな気すらする。
日々の中で癒しやご褒美を欲しくなるのも、働いてからわかる様になった。
そんな私だが、彼が来てからは仕事ですり減った自分を回復させる力が強くなった気がする。
帰宅時のお出迎えがあればそれだけで私は私の形に戻る事が出来る。
ゴロゴロと寝転がる、彼の形のいい頭を撫でると力がチャージされる。
回復力が高まるのは私だけ?かと思ってはいたが、猫に触れると幸せホルモンであるオキシトシンが増えるのは科学的に証明されている。
愛情を感じると分泌されるオキシトシン。
彼を撫でたり、ご飯を食べる姿を見たり、そんな時に分泌されるオキシトシン。
お水を飲んだ後、お口の下の雫を見ると分泌されるオキシトシン。
私は彼を守って生活をしているつもりだが、一番大きな所では守られている。
持ちつ持たれつ。
彼からの愛と幸せを分けてもらいながら、休日の夜がふけていく。