新しいスタート
すっかりペースが落ちてしまい、気が付けば夏になっていた。
これは彼と死別しないだろうという、日常の中での怠慢があってのことで、今一度気を引き締めねばなるまい。
しかし、今年の私はとにかくツイていない。
会社の新人には振り回された挙句、辞められ、今月までハードスケジュールで仕事をしていた。
遠方の旦那とは離婚が決まって、あとは離婚届けを出すのみだ。
とにかくしんどいの連続だったが、彼は毎日変わらなかった。
あくびをして、気ままにゴロンと横になる。
気が向いたら遊んで、私が撫でるとゴロゴロと喉を鳴らした。
私が辛い時も苦しい時も変わらなかった。
その姿に助けられて、なんとか夏までやってきた。
おかげさまで別の新人が入り、仕事は順調。
私生活は旦那と別れても家には彼がいる。
変わった様で変わらない毎日、これからもその繰り返しになるだろう。
だからこそ、忘れないでいたい。
彼がくれる変わらない幸福を。
自分が前に向けた彼の優しさを。
改めて、36歳一軒家持ちおばさんと7歳おじさん猫の二人暮らし。
彼が亡くなるか、私が亡くなる。
その日まで、ゆっくり暮らしていきたい。
その為にきちんと更新せねばと私は気を引き締めた。